桜良は最後のメールを見たか

(c) 2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (c)住野よる/双葉社
映画には原作の12年後の世界が追加されていることもあって、観ただけでは分からないことがあります。
そして冒頭で述べたとおり、映画の謎解きとして小説は利用できません。
つまり、基本的にはすべて妄想というか人それぞれの解釈になってしまうんですが、参考までにそのいくつかを書き記したいです。
・桜良は【仲良し】くんからの最後のメールを読んだのか?
せめて最後の瞬間は幸せな気持ちでいてほしいですよね。
個人的には読んだと思っています。
ただしその根拠としたのは形而上的なものなので、納得することは難しいかもしれません。
そうした場合、その答えは「分からない」ということになります。
詳しくは「君の膵臓をたべたい」の章で述べています。
また【仲良し】くん目線でいえば、そもそも遅すぎます。
それでも言葉を送ったことには非常に大きな意味があると思います。
・【仲良し】くんは恭子に共病文庫を見せたのか?
まったく分かりません。
ただまあ最後の手紙を走って届けるくらいだし、さすがに見せたんじゃないかとは思います。
しかしそうすると、なぜ高校時代に友達にならなかったのかという疑問が出てきますが、これも分からない。
なにかしらの語られていない事件のようなものがあったのではないかと想像するくらい。
共病文庫には恭子に対してハッキリとお願いのようなカタチでは書かれていなかったし、いろいろ難しかったのかもしれません。
ただ、12年たったいまでも結婚式の招待状は送るし、なにかしら気にかかるというか、恭子のほうもきちんと話がしたいとは思っていたのかもしれません。
・ガム君との友情はどうなったのか
これも分かりません。
一旦は図書館でガムを食べるという【仲良し】くんにとっては最大限の心の許しかたをしましたが、桜良の死後はむしろ距離を取るというか心には入らせないようにしてしまったのかもしれません。
ただ学校の先生にはなっているわけだし、桜良の生前の影響からある程度は外の世界に出るというか、ある程度は他人と接するようになっていたはずです。
つまり高校時代は多少仲が良かったけど、卒業後は疎遠になったとみるのが妥当かもしれません。

(c) 2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (c)住野よる/双葉社
ちなみにガム君こそミスター平気な顔といっていいですよね。
なかなかクラスの中で孤立する子に、その真っ最中に、平気な顔で平気なトーンで話しかけることはできません。
もちろんだからこそ【仲良し】くんも心を許したんでしょうけど。
役者さんもすごく味があるというか誰からも好かれそうな魅力のある方ですが、少なくとも彼は12年後もそのままいけたんじゃないかという気もしなくはないです。
まあ本当にやったら爆笑してしまいますけど。